3月4日(日)~5日(月)の二日間にわたり、鳥取県米子市を中心に12名で出掛けました。当初昨年11月に出掛ける予定が「かに解禁」にて東光園が満室でやむなく延期となったため、待ちに待った旅行です。
今回の旅行の目玉である「皆生温泉・東光園/設計:菊竹清訓氏」を案内してくださったのは、地元米子の建築家、来間直樹氏(クルマナオキ建築設計事務所)。
到着するやいなや、温泉に浸かって一服する間もなく「来間さんと行く東光園館内ツアー」に出発。
まずは、昨年国の登録有形文化財に登録されることが決まった東光園本館の「天台」へ。
この独特な外観と構造計画の見どころを庭園から眺めながら、さらに天台に上がり構造躯体を見ながらレクチャーいただきました。
来間さんは菊竹事務所の元所員、東光園についてはすこぶる詳しく、私たちだけで訪れたのであれば足を踏み入れることができないようなところや、知らずに通り過ぎてしまいそうな裏の裏までじっくりと、まるで探検しているかのように見学することができ、ツアーが終わる頃には外はすでに薄暗く、宴会の時間が迫っていました。1時間半くらいご案内いただいたでしょうか。
宴会場では楽しみにしていた「蟹」がお待ちかね。楽しみのあまり、ほぼ全員が蟹から手を付け始め、宴会の始まりはとても静かでしたが、蟹を食べ終わって徐々にお酒が入るといつものように賑やかな雰囲気となり、来間さんを囲んで米子での楽しいひとときを過ごしました。
翌日も来間さんにご案内いただき、米子市街地から米子市公会堂までを約3時間かけてまちあるきと見学をしました。
あいにくの雨で商店街のアーケードに逃げ込んだものの、アーケードの屋根から雨漏り。閉店した店が多くシャッター街となっているため、手入れが行き届いていない様子です。
商店街の外れにある明治の老舗眼鏡店を改装した「コミュニティラボ・野波屋」は、来間さんら米子の建築士が関わる地域貢献活動の拠点となっており、ここで来間さんよりスライドを用いてその活動紹介がなされた後、「米子市公会堂」や「わだや小路(ゲストハウス)」などの紹介事例を実際に見学に行きました。
中でも「米子市公会堂」は、耐震改修工事の際、建築家村野藤吾氏が設計した当時の外観や内観をできるだけ変えないように、ブレースなどの耐震補強部材が外観に出てこないように、かなりアクロバティックな構造計画がなされた旨のお話を伺うことができました。
その結果、「工事にお金を掛けたのに、どこが新しくなったのだ。ちっとも変わっていないではないか!」との住民の声もあったとか。
他にもいくつかの見学先がありましたが、とても長くなってしまうので、今回は米子に絞ってご報告いたしました。2日間お付き合いいただいた来間さんに心より感謝いたします。参加者のみなさんもおつかれさまでした。今年も例年に負けないくらい充実した旅行でした。